本会議で初質問、7名全員で日本共産党の存在感示す!

9月11日の田村征雄議員の質問を皮切りに、12日は真崎一子議員、13日徳田稔・松澤千鶴・松村ヤス子・川崎敏美・辻おさむ議員と次々と質問、7名全員で力をあわせ、質問内容もバラエティに富んで日本共産党議員団の存在感を示しました。私の質問テーマは『「子ども・子育て支援新制度」、尼崎の公立保育所の民間移管問題~裁判との関わり~』、以下、全文をアップします。【9月26日当局答弁を追加!】
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日本共産党議員団の川崎敏美です。
「子ども・子育て支援新制度」について質問します。
子ども・子育て関連法案は、消費税増税法案とともに、社会保障・税一体改革関連法案として一括して国会に提案されました。民主党・自民党・公明党の3党による修正が加えられました。その結果、総合子ども園法案が撤回されて、認定こども園法の改正案が議員立法で提出され、子ども・子育て支援法案と児童福祉法など関連法の改正案については議員修正が加えられました。衆議院の通過後、2012年8月10日、参議院でも可決し、法案は成立しました。

成立した子ども・子育て関連法は、当初の法案も複雑でしたが、修正によってさらに複雑になり、今回の制度改正で最も影響を受ける保護者や保育者が理解することは大変難しいものとなっています。
新しく成立した「子ども・子育て支援新制度」では、(以下、新制度と言います)、幼稚園、保育関係団体等の反対意見により、民主・自民・公明党の3党合意による修正がなされました。そして児童福祉法第24条第1項の「市町村は、この法律及び子ども・子育て支援法の定めるところにより、保護者の労働又は疾病その他の事由により、その監護すべき乳児、幼児その他の児童について保育を必要とする場合において、次項に定めるところによるほか、当該児童を保育所において保育しなければならない。」という市町村の実施義務が残りました。
その結果、公立・私立を問わず保育所に入所する子どもたちに限っては、入所については市町村が保育実施責任を持つことになります。しかし、4類型の認定こども園や、幼稚園、地域型給付の保育施設などでは、直接入所・直接契約・保護者への補助方式が貫かれ、保育が保育という商品に変質していく可能性があります。
また、入所の前提には、市町村による要保育時間の認定が必要になります。保育所等で受けることのできる保育は、保護者が認定された保育時間を上限としたものに限定されることになり、子どもたちの一日の生活を保障する場から必要な時間だけ預かる場へと、保育所の役割が変化するとともに、継続的な保育保証ができない可能性もあります。

お尋ねします。市は、保護者の就労時間で子どもの保育時間が異なるという、新制度の問題点について、どのように考えますか?ご答弁ください。
【答弁】子ども・子育て支援新制度は、昨年8月に成立した子ども・子育て関連三法に基づき、幼児期の学校教育・保育の総合的な提供、保育の量的拡大、地域の子ども・子育て支援の充実を図るため、平成27年4月の本格施行が予定されています。新制度の保育の必要量の認定については、『長時間」と『短時間」の2つの区分が設定されることになっていますが、具体的な区分の線引きについては、現在、国の「子ども・子育て会議」において検討されているところでございます。なお、この会議では、保護者の就労状況やワークライフバランスの観点、さらには子どもの生活の時間を基本とした観点から検討すべき等の意見が出されており、今後とも、国の動向を注視してまいりたいと考えています。

また保育の必要量を超えた保育時間の追加料金や行事の実費負担など、保育料に加えて保護者の負担が増えてしまいます。
保育所に支払われる委託費、実質的には施設型給付費も区分に応じることとなり、短時間区分の子供の多い保育所では減収となるなど、保育所運営が不安定になり、保育士の処遇が悪化する恐れがあります。
保育所より低い基準の認定こども園や小規模保育事業などを保育の受け皿にしようとしており、また、施設・事業によって基準が異なるため、保育水準に大きな格差が生まれ、子どもの保育に差別が持ち込まれようとしています。
保育所整備の補助金制度が廃止され、保育所増設による待機児童解消は望めないばかりか、老朽化した保育所の建て替えや改築すら難しくなり、地域によっては保育所の減少すら予測されます。

お尋ねします。
①こうした新制度のもとでは、施設の違いで子どもの保育水準や保育士の処遇が大きく異なるなど、格差が生じてしまいます。公立の保育所をより多く残すことで、市の保育水準を引き下げない、格差を生まない対策がより強く望まれます。公立保育所の民間移管計画は、少なくとも一旦凍結し、見直すべきではないでしょうか、市長の考えをお聞かせください。
②あわせて、尼崎市立幼稚園教育振興プログラムで、公立幼稚園を9園廃止して9園だけ残す計画ですが、これについても計画を凍結し、幼稚園のあり方を見直す必要があるのではないでしょうか。教育長の答弁を求めます。
【市の答弁】新制度で市町村は、認定こども園や小規模保育などについても、認可等の基準を条例で定めることとされており、必要な保育を確保するための措置を講じなければならないこととされております。新制度施行後の保育所に関しましては、現行制度と同様に、市町村が、保育の実施義務を担うこととなっており、公立、私立の格差なく、昨年度、本市が制定した「児童福祉法に基づく児童福祉施設の設備及び運営の基準を定める条例」や、国の保育指針に沿った保育を引き続き実施することとなっております。
こうしたことから、民間移管により、保育水準が下がるものでないと考えておりますので、引き続き、0歳児保育など多様化する保育ニーズ等への対応や、老朽化したプレハブ保育所の建替えなどの保育環境の改善とともに、効率的な保育行政を図るため、公立保育所の民間移管を進めていく考えでございます。

【教育長答弁】『市立幼稚園教育振興プログラム」では、市立幼稚園の数は集約いたしますが、現在在園されている園児数に見合う定員数を確保することといたしております。その上で、子どもたちにより広く社会性を育む機会を提供し、幼稚園教員の資質向上を図るために、各年齢ごとに複数の学級を設けますとともに、全園に特設学級を設置し、養護教諭を配置するなど、子どもたちにとって、より望ましい教育環境をつくることができると考えております。更に、未就園児を育てておられる保護者からの子育て相談にも応じることができる体制を、各幼稚園で整えるなど、家庭教育を支援する取組みの強化を図り、幼児教育の総合的な充実をめざすこととしておりますことから、プログラムを推進しているところでございます。


また、小規模保育事業等の地域型保育ですが、企業参入を見込むもので、それによって保育の供給量が増えるかどうかは未知数です。
幼保連携型認定こども園を除く認定こども園に企業参入が認められ、保育が儲けの対象とされます。

お尋ねします。これまで尼崎市は公立保育所の民間移管の受け入れ先として、社会福祉法人資格を条件としてきました。その理由はどのようなものだったのでしょうか。また保育を市場化し、企業の儲けの対象とするような企業参入については、どう考えるのか。今後とも認めないのか、市長の見解についてお尋ねします。
【答弁】本市の民間移管につきましては、保育所の建物などの財産の譲与や市有地を無償で貸付けることとしております。また、現行の保育所の新設などに係る国等の補助は、株式会社は対象とされておらず、社会福祉法人など極めて公共性が高い法人に限定されております。こうしたことから、移管先につきましては、社会福祉事業を目的に設立された、社会福祉法人としているものでございます。
保育所の経営主体につきましては、現行制度でも株式会社の参入も可能となっておりますが、新制度では認可基準として経済的基礎、社会的信望、社会福祉事業の知識経験を満たすことが、新たに児童福祉法で明記されております。
また、平成24年8月に成立した子ども・子育て関連3法の施行後においては、地域での保育需要が充足されておらず、株式会社から保育所の設置に係る申請があった場合には認可するものとなったため、今後、ニーズ調査等を踏まえた5か年の需給計画を含む子ども・子育て支援事業計画に基づき、総合的に判断するものと考えております。


また、幼保連携型認定こども園は、学校教育法に基づかない学校という奇妙な法的位置づけが与えられ、また保育所・幼稚園からの移行を強要しないと三党合意したにもかかわらず、国は、保育所からの移行を強引に推し進めようとしています。これを放置してなし崩し的に移行が進められれば、せっかく残した「市町村の実施義務」が形骸化されてしまいます。

子ども子育て関連法のこうした諸問題が、保護者や保育関係者にも殆ど知られておりません。政府は、2013年4月に子ども・子育て会議を設置し、2015年4月の新制度の本格施行を目指して、必要な政省令等の制定等の論議を進めています。
また地方自治体に対しても2014年夏までには、地域型保育給付に関わる諸事業の認可基準等の条例化等を終えるよう要請しています。国・自治体ともに本格実施に向けて十分な時間的な余裕がありません。
お尋ねします。市町村の保育実施義務の規定である児童福祉法24条1項を積極的に活用し、尼崎市の現行の保育水準を引き下げない視点で、新制度導入に向けた準備作業を万全なものにしていく必要があります。市の考えをお聞かせください。
【答弁】現在、子ども・子育て支援新制度につきましては、平成27年度の本格稼動に向けて、地域における幼児教育・保育及び子育て支援についてのニーズを把握し、そのニーズを踏まえて、子ども・子育て支援の提供体制の確保等を内容とするr子ども・子育て支援事業計画_|の策定等に取り組んでいるところです。
また、新制度の中に位置づけられた保育制度につきましては、先ほど、ご答弁いたしましたとおり、現行制度を踏襲し、現行制度を基本として拡充されたものとなります。新制度では、認定こども園や小規模保育などについても、今後、国が示す指針等を踏まえ、市町村が認可等の基準を条例で制定することが求められていることから、「尼崎市子ども・子育て審議会」での審議を経て、条例化に向けて取り組んでまいります。
さらに、今後、国から示される指針等に基づき、新制度に係る保育の必要性、必要量の認定、施設事業者に対する給付の支払いなどの具体的な事務手続について、関係部局と連携し、体制整備を図る中で、準備事務を進めてまいります。

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次に、尼崎市における公立保育所の民間移管に関わる問題について質問します。
尼崎市は1998年(平成10年)以来、市民や保護者、保育関係者の多くの反対の声があるなかで、公立保育所の民間移管を進めてきました。元々45箇所あった公立保育所は、すでに17カ所が移管され、今では28箇所となっています。
市の「公立保育所の今後の基本的方向」のなかで、公立保育所の役割について次のように述べています。「公立保育所の役割として市は、行政としての基本的責任を果たしていく視点から、私立保育所では担うことが期待しにくい領域については、公立保育所が一定の役割を果たすべき」としています。そして3つの役割を述べています。『保育に欠ける子どもの受け入れを保障する役割、市の保育水準の維持向上を示す役割、地域における子育て支援事業の協力・連携機関としての役割』です。
このように、市は公立の保育所の積極的な役割を認めつつ、しかし数の上では最終的には9箇所にしてしまう民間移管計画を推進中です。
この計画は2008年(平成20年)6月、大島保育所の保護者から、民間移管をやめさせる裁判が提訴されたことにより、計画通りにすすんでいません。当初の民間移管計画では、今福、大島、長洲、立花南、立花、浜、道意、尾浜の8箇所があげられていましたが、この間移管が実施できたのは今福と長洲の2箇所のみです。

お尋ねします。こうした公立保育所の民間移管が計画した通りに進まなかった原因は、保護者の理解が得られていないことだと思いますが、市はどこに原因があると考えられていますか。市長の見解をお伺いします。
【答弁】公立保育所の民間移管にあたりましては、保護者の皆様の不安解消を図るとともに民間移管への理解を得るために、様々な形で情報提供やアンケート、説明会などを実施してまいりました。また、保護者が法人選定委員に参画されない場合においても、一定の条件のもとで保護者が意見を述べることができる機会を設けるなど、保護者の皆様の理解を得られるよう努めてきたところでございます。平成19年度に策定した当初の民間移管計画につきましては、大島保育所におけます裁判の推移を見定めていたことや、他市における裁判の動向も踏まえる必要があったことなどから、当初の計画どおり進めることができなかったものでございます。今後も保護者の皆様の理解を得られるよう努めてまいります。

大島保育所の保護者の皆さんが、裁判をはじめてから3年になろうとする2011年(平成23年)3月16日神戸地方裁判所の判決が出ました。判決は、原告の訴えを却下するというものでした。その理由は、大島保育所の廃止は、先に定める条例で日を決定するという条例のために、廃止の日が定まっておらず、市の処分性が認められないので、原告には訴えの利益がないというものでした。実質的な法的な判断を神戸地裁は行いませんでした。裁判が提訴されたことにより、大島保育所の民間移管が予定通りに進まなかったから、市が裁判中に条例を「大島保育所の廃止は別に条例で定める日」と変更しまいました。その結果、大島保育所の廃止の日が定まっていないから、原告には裁判を受ける権利はなくなったと裁判所は判断したのです。「公立保育所民間移管計画」そのものの実質的な審理はされませんでした。決して「民間移管」そのものに「OK」を裁判所が与えたものではありませんでした。原告はこれを不当判決として、3月29日に大阪高裁へ控訴しました。

市は裁判中でも2010年(平成22年)に長洲、上ノ島、道意、尾浜保育所の廃止条例、一審判決後の2011年(平成23年)の9月議会で立花南保育所の廃止条例を提案し、議会はこれを可決しています。

しかし、立花南保育所も2012年(平成24年)4月、この条例制定を不服として神戸地方裁判所に提訴しています。そして昨年の2012年(平成24年)5月10日に大島の大阪高等裁判所での判決が出されました。

 高裁の判決は一審に続いて、また実質的には門前払い判決でした。その理由は、裁判を訴えた在所中の原告は入所する時から、あらかじめ民間移管を知っていたのだから、この問題を訴える権利がないと控訴が棄却されました。つまり、市が事前に当該保育所の民間移管を知らせることを行っていれば、裁判に問うことができないという前代未聞の判決でした。高裁では、大島の民間移管する日が新たに条例で平成26年4月と定められたので、審理やりなおしの判決が出るだろうとの見方がありました。
原告は最高裁に上告すると同時に、4年前の裁判の際に原告になれなかった、現在入所中の保護者が第2次の民間移管反対の訴訟を別に起こしました。

そして今年7月24日に大島保育所第1次・2次併合訴訟最高裁判断がでました。
結果は①上告を棄却する。②上告審として受理しない。というものでした。
最高裁での、上告棄却の理由は上告受理に理由がないので今回は最高裁として取り上げないというものでした。つまり、最高裁判所が必ず判決を出さねばならない事件は狭く限られていて、この事件はそれに該当しないという決定でした。大島の案件を最高裁は、この事件でいえば児童福祉法の解釈の重要な判断をする案件ではないとしたのであったと、私は思いました。また大阪高裁判決にふれて太鼓判を押したわけでもありませんでした。

この裁判を続けてきた原告代表の一人の方が、裁判に対する思いを次のように話されています。『当初は、市民の生活を支える役所は市民の意見を無視して勝手な事をするはずがない、市民から選ばれた市議会は一生懸命訴えれば市民の困ってる事に一緒に考えてくれ、行政のチェック機能を果たしてくれるかもと、思っていました。』
そこでお尋ねします。
①自分たちの公立保育所を残してほしいとのこのような覚悟で、5年間も裁判を続けてこられた原告の思いを、市長はどのように受け止められていますか、お答えください。

最高裁判所の決定でも、大島保育所の民間移管の法的な判断をしていません。ということは、今後、保護者と市との間で、合意形成をはかっていく必要があります。

お尋ねします。
②保護者と市との間で、合意形成をはかっていくには、やはり公立保育所の民間移管計画を一旦凍結することが求められるのではないでしょうか。改めて市長の答弁を求めます。
【答弁】①大島保育所の民間移管に係る訴訟につきましては、5年間を経て、本年7月に最高裁判所による上告棄却などの判決が下され、高等裁判所の判決内容が確定することになりました。大島保育所の民間移管におきましては、保護者の理解を得る取り組みを進める過程で、訴訟となり5年に及んだことにつきましては、非常に残念であり、重く受け止めているところでございます。
②現在、大島保育所をはじめ、浜保育所、上ノ島保育所の民間移管におきまして、保護者委員の参画も得るなか、移管法人選定委員会を開催し、移管先法人の決定に向けて取り組んでいるところです。こうしたことから、引き続き、保護者の理解を得る取り組みを進める中で、現在の民間移管計画を進めてまいります。


大島保育所に関わるのこれまでの裁判の結果は、一審から最高裁まで、民間移管問題の判断を行わなかったということです。裁判所は、公立保育所の民営化反対裁判で基準となっている、横浜裁判の最高裁判決を翻したものでもありません。横浜裁判の最高裁判決は「特定の保育所で現に保育を受けている児童及びその保護者は、保育の実施期間が満了するまでの間は当該保育所における保育を受ける事を期待しうる法廷地位を有するものということができる。」と判断しており、これを否定したわけでもないということです。

尼崎では17箇所の民間移管の実施を行ってきたにもかかわらず、裁判までに至っている現状は、未だに保育関係者、とりわけ保護者に理解と協力が得られていない状況をあらわしています。これを市は、子どもや保護者への配慮を欠いた保育行政への厳しい批判と受け止めるべきではありませんか。

「子ども・子育て支援新制度」のもとで保育制度の大きな転換が迫られている今日、よりよい子育てを行っていくための環境づくりをどのように行っていくのかが問われています。当局と市民との間で議論ができる条件を整えていかなければなりません。そのためには、市民との間できちんとした合意が得られていない問題、公立保育所や幼稚園の廃止等の計画については、一旦凍結することが必要です。
その上で、子育て支援のためのあらゆる施策の見直しを、市民とともに行っていくべきだと思います。その際、最も大切ことは現行の水準を後退させないという視点です。

 このことを強く要望して、私の質問を終わります。

by kawatetsu20120208 | 2013-09-14 06:23 | 活動日誌  

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